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Jiksak Bioengineering独自のNerve Organoid™作製技術を基盤に、末梢神経損傷・断裂に対する新しい治療法「軸索集積型人工神経」の開発を進めています。
末梢神経は、脳から脊髄に続く中枢神経から枝分かれして体中に張り巡らされており、運動機能や感覚機能の発現において重要な役割を担っています。
末梢神経が事故や病気により損傷・断裂した場合、運動障害(手足の麻痺、筋力低下など)や知覚障害(痛み、しびれなど)、自律神経障害(発汗異常や皮膚の色変化など)となってあらわれます。
そのような末梢神経損傷・断裂に対する治療として、損傷が小さい場合は神経同士の縫合が行われます。縫合では治療できない大きな神経断裂の場合は、自身の健康な神経の一部を欠損部位に移植する「自家神経移植」、または人工神経と呼ばれる「神経再生誘導チューブの移植」による治療がなされています。
神経断裂部位への自家神経(左)および神経再生誘導チューブ(右)の移植イメージ。
断裂した部位の長さ・太さに合わせて移植し、縫合してつなぎ留めます。
「自家神経移植」は標準的な治療法ですが、移植用に正常な神経を採取するため、その部位の知覚が損われてしまいます。また、採取できる自家神経の長さに限界があることや、複数箇所の開創・閉創が必要なために患者への負荷が大きいことも課題です。一方これまでの「神経再生誘導チューブ移植」は、上記の自家神経移植の課題はクリアできますが、機能回復が遅く効果も限定的であることが報告されています。
海外ではこれらの課題を克服した「他家神経移植」による治療が行われており、高い治療成績が得られています。しかし日本国内では他家移植は認められていないため、代替の治療法が求められています。
Jiksak Bioengineeringでは、既存の治療法の課題を克服した新たな移植デバイス「軸索集積型人工神経」の医療機器開発を進めています。
「軸索集積型人工神経」は Nerve Organoid™から細胞核が存在する細胞体を離断しチューブ内に軸索束を集積させたもので、患者の末梢神経再生を促し、感覚神経と運動神経の機能回復を促します。
Nerve Organoid™培養チップによって
Nerve Organoid™を大量に製造
細胞核が存在する細胞体を離断し
軸索束部位を集積
集積した軸索束をチューブ内に挿入
神経が損傷・欠損した部位に、神経欠損の長さや太さに応じて適切なサイズの軸索集積型人工神経を移植することで、神経の両断端に連続性を持たせます。それにより、軸索束を足場にして患者本人の神経再生が促進されます。チューブは生体吸収性材料を用いるため、移植後に生体内で分解・吸収され、最終的には代謝・排泄されます。