
Core Technology
Jiksak Bioengineeringは、神経の軸索とその先にあるシナプスに注目した研究開発を進めています。
タンパク質(protein-X)を直径約10 µmのビーズにコンジュゲートしてヒトiPS細胞由来の運動神経細胞と共培養すると、神経細胞がビーズをポストシナプス側の組織として認識し、軸索末端とビーズとの間にシナプスが人工的に形成されます。軸索上に機能的なシナプス前部を簡便かつ迅速に形成することができ、様々な評価への応用が可能です。
Figure 1. ヒトiPS細胞由来運動神経細胞上に、あるタンパク質を固定化したマイクロビーズ(b, マゼンダ)を添加すると、神経軸索(c, 赤)とマイクロビーズの接着点においてシナプシン(a, 緑)が強く集積しました(d, 共染像, 白)。コントロールビーズではビーズの接着点においてシナプシンの集積は見られませんでした(i)。また電子顕微鏡による観察で、あるタンパク質が固定化されたビーズはコントロールビーズに比べて多数の軸索に覆われている様子が観察されました(e)。
シナプスに異常がある疾患(neuromuscular diseases)においては、弊社の人工シナプス形成技術を用いることによって、
neuromuscular synapseの構造が変化していく疾患(筋萎縮性側索硬化症, 重症筋無力症)のメカニズムや治療法にフォーカスした研究がより深く・より速く進めることが可能です。
また、シナプスに変性が起きる疾患(synaptopathy)に対する研究ツールとしても人工シナプス形成技術が応用できると考えています。
弊社では、人工シナプス形成ビーズを用いて、FDAで認可されている化合物に対するハイスループットスクリーニングを行った結果、シナプス形成を有意に促進する化合物を同定することに成功しました。
シナプス形成の安定化を評価することは、創薬における重要な技術であると考え、スクリーニングシステムの提供および自社での神経変性疾患の創薬を推進しています。